お酒なんて呑んで美味しければいいやん!
という意見が多いのも知っていますが、ちょっとだけ日本酒の事を知ると更に美味しく呑めるようになるかもしれません。
更に飲み会などで軽めにウンチクを披露すれば、みんなの視線を独り占め出来るかも!(語りすぎ注意)

旨い日本酒を呑むための基礎知識

日本酒の起源は古く、紀元前まで遡るという話もあります。
最近話題になった映画で「君の名は。」にも登場していた口噛み酒が起源という説もあります。
ちなみに、この口噛み酒は現代でも神事として執り行われております。

さすがに、お酒の起源からのウンチクは必要ないと思いますので、一般的なお話を。

旨い日本酒を呑むために その1 日本酒の基本的な造り方

ざっくりとした説明をすると、お米の糖分を酵母の力でアルコールに変えて濾過した物が日本酒です。
そして残った物が酒粕です。

ざっくりしすぎているきらいもありますが、酒飲みにとっての日本酒基礎知識は、こんなものでいいかと思います。

旨い日本酒を呑むために その2 日本酒の種類の分け方

以前は特級、一級、二級という分け方をしていましたが、1992年に等級制度は廃止されました。
ちなみに、この等級も味を示すものではなく国税局に登録をしているかどうかだけの問題だったのです。

それでは現在は、どのような分け方をしているのかというと「特定名称酒」というガイドラインが定められて、それによって分類されています。

特定名称 使用原料 精米歩合 香りなどの要件
純米大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が特に良好
大吟醸酒 米、米こうじ
醸造アルコール
50%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が特に良好
純米吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が良好
吟醸酒 米、米こうじ
醸造アルコール
60%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が良好
特別純米酒 米、米こうじ 60%以下 香味、色沢が特に良好
特別本醸造酒 米、米こうじ
醸造アルコール
60%以下 香味、色沢が特に良好
本醸造酒 米、米こうじ
醸造アルコール
70%以下 香味、色沢が特に良好
純米酒 米、米こうじ 特になし  香味、色沢が特に良好

醸造アルコールを添加するのは水増しの為などではなく、アルコールを添加することでスッキリとした飲みくちになるのです。ちなみに純米酒はアルコールを添加していない状態で、米本来の旨味などがのこりどっしりとした味わいになります。

当店は、鯖に合う日本酒をと考えて純米酒を中心に置いております。

旨い日本酒を呑むために その3 作りの違いによる名称

山廃仕込み 「生もと」の工程から山卸し(半切桶に蒸米と麹と水をまぜ櫂ですりつぶす作業)を廃止した酒母造りの、昔ながらの手法で時間をかけて造る方法。味わいは、生もと同様、濃密でコクのある風味となる。
生もと造り 低温下で麹、蒸し米、水を底の浅い桶に入れてすりあわせ、手間をかけながら乳酸の増殖、発酵を促す。これにより自然の乳酸菌が造られ、雑菌を抑えながら、力強い優良な酵母を多量に育てる事ができる。
原酒 水を加えずアルコール度数が通常「15~16度」より2~3度高めの酒。
生一本 一つの蔵で造られた酒だけを詰めたもの。
生酒、本生 通常、貯蔵前と出荷前の2回にわたって火入れ「加熱殺菌」をするが、一切火入れしない酒。爽やかさが特徴で冷やで飲むのが通例。
生貯蔵酒 火入れをしないで貯蔵し、容器に詰める直前に1回だけ火入れをして出荷する酒を生貯蔵酒というようで搾ってから貯蔵、瓶詰めするまで火入れを行わないので、生酒特有の華やかな香りをそのままお酒に封じ込めたもの。
しぼりたて 明確な規定は無いようで、生酒をこう呼ぶことが多い
あらばしり
(荒走り)
もろみを搾る際に、一番最初に出てくる酒。生で出荷される。「しぼりたて」と呼ぶ場合もある。
ひやおろし 冬季に醸造(寒作り)し、一夏越させて出荷される。味がまろやかになる。
寒造り  晩秋から春頃までの寒い時期を選んで行われる酒造りのこと。寒い季節は酒造りには理想的な条件が揃っており、酒の品質も最良。

旨い日本酒を呑むために その4 飲み方

 

最近では冷で呑むのが通好みのような印象もあるようですが、けっしてそういうものでもありません。
確かに大吟醸などに燗を付けて呑むと華やかな香りなどは台無しになるような気もしますが、そこはお好みでいいかと思います。

逆に当店で取扱いの多い純米酒は燗をつけるのに向いている日本酒と言われています。
純米酒は冷から飛び切り燗まで楽しめるお酒なんです。
ちなみに燗は、いろいろな温度に分けられており、

一般的に、冷は冷たい状態という認識が広まっているようですが冷蔵庫が無かった時代、「冷=常温」というのが一般的でした。冷たい日本酒のお事は「冷酒」と呼ぶのが正しいようです。
ちなみに、日本酒は温度によって色々な名称があります。

雪冷え 5℃
花冷え 10℃
涼冷え 15℃
冷や(常温) 20℃
日向燗 30℃
人肌燗 35℃
ぬる燗 40℃
上燗 45℃
熱燗 50℃
飛び切り燗 55℃

このような感じで色んな温度帯で日本酒を楽しむ事ができます。
また、同じ日本酒でも燗のつけかたによって味わいや香りが変化しますので色々と試してみると新たな発見が出来て楽しいと思います。

※当店の冷酒には店主が一番美味しいと思う温度の10度にて提供しております。