最近、アニサキスについて騒がれていますので当店も鮮魚を扱う飲食店として少し書きたいと思います。

そもそもアニサキスって何?

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生します。
魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は魚介類が死亡すると、内臓から筋肉に移動することが知られています。

アニサキスの写真などについては、不快な思いをする方もいらっしゃると思いますので、掲載はいたしません。
興味の有る方は画像検索などでご覧ください。

アニサキスが増えているという話を聞いたけど本当?

まず、アニサキスは昔からいて近年増加傾向にあるということはないと思います。アニサキス発症の過去3年のグラフ

この表は厚生労働省のWEBサイトより引用させていただいてます。
近年、海水温の上昇によりアニサキスが寄生している魚も増えているとは聞きますが、実際は平成24年から食品衛生法が改正され表面化する数字が増えている事が一番の要因のようです。

アニサキスってどうやったら死ぬの?

当店にご来店いただくお客様からもお話をいただくのですが、アニサキスは「よく噛めば大丈夫なの?」という話。
確かに、よく噛めばアニサキスも死ぬと思いますが、目に見えるサイズですので基本的に食べる前の目視確認で防ぐことが出来ます。

また、しっかりと加熱するか冷凍することによってアニサキスは死滅します。

◆加熱してください。(60℃では1分、70℃以上で瞬時に死滅します。)

◆冷凍してください。 (-20℃で24時間以上冷凍すると感染性が失われます。)

◆新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いてください。

◆魚の内臓を生で提供しないでください。

◆目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

また、100%といい切れるものではありませんが、通常の店舗で出される鮮魚についてはサクと言って処理済みの魚を仕入れて多いのが現状です。
まずは魚屋さんが鮮魚を処理する段階で十分に目視確認がなされ、それを店舗が利用する際に再度チェックが入りますのでアニサキス混入の恐れは非常に低いのです。

魚が生きている間、アニサキスは内蔵に寄生しているのですが魚が死んだ後は身の方に移ってきいます。
その為、生簀がある店舗などでは魚を〆てから迅速に内蔵などを処理をします。
内蔵の臭みを身に移さないためと新鮮な状態でお客様に美味しいお刺身を提供するためです。

それが結果としてアニサキスを内蔵から身に移さない役割を担っているのです。

当店でも同様に迅速な処理と目視による徹底した確認をしていますが、そもそも当店で活き鯖刺しや ごま鯖で使用している長崎ハーブ鯖にアニサキスが寄生している確率は限りなく0に近いのです。

どんな魚にアニサキスが寄生しているのか

アニサキスが寄生している鯖は外洋を回遊している鯖でアニサキスが寄生するのを避けられない魚です。

アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生します。

それでは、アニサキスがいない鯖とはどんな鯖かというと
内海に生息する関サバをはじめとしたブランド鯖などは、ほとんどいません。
また、当店が使用しているハーブ鯖を始めとする養殖ブランド鯖は皆無といっていい状態にあります。

実際に昔から関サバなどは生食できる数少ない鯖だと言われていました。

まとめ

食中毒などを出すと、お客様に多大な苦痛とご迷惑をおかけするだけではなく、それを引き起こした店舗にも信用失墜などの大きなダメージを与えます。その為、飲食店は最新の注意を払いお客様に美味しい料理提供することに心を砕いています。

交通事故よりも食中毒の方が確率が低いんだからというような事もいいませんし、このページを見たからと言って、スッキリした気持ちでお刺身などを手に取ることは難しいのかもしれませんが、テレビメディアなどの影響力が大きい物だけに影響されずに冷静な目で口にする物など選んでいただければと思います。

 

※飲食関係や鮮魚に携わる方、このページが役に立つと思われたら引用をしていただいても問題ありません。
業界みんなで信用を回復していきましょう。引用された際には引用元を明記していただけると幸いです。

※このページで引用してる文章、表などは厚生労働省WEBサイトより引用させていただきました。